登録できる商標は、その商標で提供する製品やサービスを具体的に識別できること、が条件となっています。ですので、その商品やサービスの宣伝にとどまるして、キャッチフレーズや標語は、原則として商標としての識別能力はないと考えられています。
これは、あくまでも、原則として、であり、実際にキャッチフレーズが商標登録されているものが多くあります。
まず、普通の文章だけでなく、識別力のある名称と合わせて使った場合になります。その名称の供給者が供給するものを、文章が端的に表していれば、登録を認められるようです。
また、文章だけではなく、図形や標識が添えられているものや、図形や標識の中に文章が書かれているものは、その図形や標識の一部として文章が認識され、商標として登録を認められるようです。この場合は、キャッチブレーズ自体が商標登録を認められたわけではなく、キャッチブレーズを含めた記号として商標登録が認められたと考えるべきでしょう。
では、純粋に文章だけで商標登録されているものは、どうでしょうか。
やはり、例外は存在するようで、文章のみで商標登録されているものもあります。
商標登録は、その商標を、どの製品やサービスを表すものなのかを、指定しなければなりません。ここがポイントとなります。登録の可否は、識別能力の有無が大きな比重を占めますので、供給するものを端的に表し、識別ができるようなキャッチフレーズであれば、商標として登録できる可能性が高くなります。
実際に商標登録されているキャッチフレーズを調べてみると、比較的短い文章のものが多くなっています。長い文章だと、どこに識別能力があるのかが、不明瞭になるという点が考えられます。
しかし、短いキャッチフレーズは、往々にして追加で説明が必要であり、ある程度長い文章で、単刀直入に良い所を並べられなければ訴求力は落ちていきます。
事実、商標登録されているキャッチフレーズだけを見ても、何を指しているのかは全くわかりません。
結局のところは、商標登録には、製品やサービスを指定するといった、補足的な説明があるため、短い文章で端的に識別できるようになるのです。
やはり、原則にのっとれば、キャッチフレーズは商標登録には向かないものかと考えても良いかと思われます。